清水寺はその名高い「清水の舞台」で知られ、世界遺産として認められ、古都京都の重要な文化財の一部とされています。
京都の名所を尋ねるとき、清水寺の名前は必ず出てきます。
多くの見どころを持つ清水寺には、「清水の舞台から飛び降りる」というフレーズがあり、これは多くの人々が少なくとも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
また、毎年12月には、年間を象徴する「今年の漢字」が清水寺で公開されます。
この清水寺は、世界遺産にも認定されている観音霊地の一つです。
全部で33ヶ所からなる霊地、「西国33ヶ所」を訪れる巡礼者が参詣の証として印を受け取る札所として16番目に位置付けられています。
創建から1200年以上の長い歴史を誇る清水寺。
今回は特におすすめする5つのスポット、そして重要なポイントをピックアップして、清水寺の見どころを紹介します。
この記事を読むとわかること
■内容■
- 清水寺の見どころ5選とその魅力
- 清水寺の歴史や文化財としての重要性
- 音羽の滝や紅葉などのパワースポット情報
【清水寺】仁王門・見どころとポイント
「仁王門」が清水寺の正面に立つという点も見所の一つです。
鮮やかな朱色の丹塗りが特徴的な仁王門は、その美しさから重要文化財にも指定されています。
また、仁王門の前に鎮座する清水寺の狛犬は一風変わった石像です。
一般的に、狛犬は口を開けた阿形(あぎょう)と口を閉じた吽形(うんぎょう)の二つに分けられますが、清水寺の狛犬は両方とも口を開いた阿形という特異な形状をしています。
この狛犬は1944年に作られ、その設計の参考となったのは東大寺の南大門にある狛犬です。
もともとは清水寺の守護神である地主神社のために作られたものだそうです。
目隠しの門(仁王門)
壮大な仁王門は、吽形と阿形の仁王像が両側から厳しい視線を送り出すことから、「目隠しの門」とも呼ばれています。
確かに、ここから奥を見通すことは難しそうですね。
しかし、実際に目隠し効果が働くのは他の視点からです。
門をくぐって見上げると、何かに見つめられているような感覚に襲われるかもしれません。
無意識に視線を上げると、そこに「清水の舞台」が広がっています。
清水の舞台は、京都の都市部を見下ろす高さに位置しています。
そして、その視線の行き先には直接見下ろすこととなる特定の場所が存在します。
それは非常に神聖な場所。「御所」なのです。
舞台の建設時には、「御所」という天皇の住居を見下すことがないように配慮して、この仁王門が建てられました。
舞台を訪れた際には、この仁王門にも目を向けてみてくださいね。
西門
仁王門を通り抜けると、右手に清水寺の「西門」が見えてきます。
これは1631年に再建されたものです。
西へ向かう山から沈む夕日が非常に美しいので、訪れる際は日暮れ時がお勧めです。
また、ここは浄土を想像する「日想観(にっそうかん)」を行う場所でもあります。
日想観とは、特別な知識や経験を必要としない修行法です。
静かに沈みゆく夕日を見つめることで、自分自身の内側と直接向き合うことができるとされています。
随求堂(ずいぐどう)で胎内巡り
仁王門を通り過ぎ、鐘楼の隣を進むと、随求堂が視野に入ってきます。
清水寺の塔頭寺院「慈心院」の本堂であるこの場所では、スピリチュアルな経験が可能です。
この本堂の大随求菩薩(だいずいぐぼさつ)という仏様は、「求めに随う」、つまり人々の願いを叶えてくれると言われています。
この随求堂では、「胎内巡り」という体験が可能で、これはお堂の下部を大随求菩薩の胎内と見立てたものです。
中に一歩踏み込むと、視界は真っ暗闇に包まれます。
その中で、壁に配置されたビーズを手で辿りながら、大随求菩薩を象徴する梵字が刻まれたわずかに明るい随求石を目指します。
随求石に辿り着いたら、その石を回しながら祈りを捧げ、出口へと戻ります。
全体の所要時間は約5分ほどです。
この奇妙で心温まる体験は、まるで昼間の夢のようです。
訪れた際は、随求堂で「心の再生」を体験してみてください。
また、大聖歓喜天や粟島明神といった、恋愛や婚姻、安産、子育てに関連する神仏が祀られているのも特徴です。
【清水寺】三重塔・見どころとポイント
日本国内でも最大級の高さ、約31メートルを誇る「三重塔」です。
その鮮やかな朱色の姿は目を引く美しさで、京都東山地区の象徴的存在となっています。
三重塔は夜になると特別にライトアップされ、その優雅な姿はまるで夢幻のような美しさを放ちます。
内部には大日如来像が安置されており、壮麗な極彩色の金剛界曼荼羅や飛天、龍などの絵が天井や柱に描かれています。
また、三重塔の屋根には、各階に四隅に設置された鬼瓦が特徴的です。
注目すべきは、この四隅の中でひとつだけ異なる龍の鬼瓦です。
この独特の龍の鬼瓦は、実は水の神である「龍神」を象徴しています。
京都の西山は火事を防ぐ神、愛宕山によって守られていますが、反対の東山側はその保護が薄くなっているため、火事から寺院を守るために、水の神「龍神」を配置したと考えられています。
【清水寺】本堂舞台・見どころとポイント
多大なる恵みが与えられると言われる「本堂」。
訪れたらその「本堂」とその周辺の「清水の舞台」は外せません。
本堂は清水寺の魅力が最も凝縮された場所といえます。
清水寺は、平安時代の豪華な宮殿や高貴な貴族の邸宅を彷彿とさせる細かな工芸品の一つ一つから深い尊厳が伝わってきます。
建築物を支える壮大な円柱、そして柱を結びつけるために用いられている数々の梁(ぬき)。
それぞれが重厚な感じを醸し出して巧妙に木材を結合させた「組手(つぎて)」という接続技術により、柱は一緒に組み立てられ、この本堂を支える柱には一本も釘が使われていないというのは驚きですね。
清水寺の主祭神は十一面千手観音ですが、この観音像は通常の千手観音像とは異なります。
その姿は左右の腕を高く頭上に挙げ、化仏を手に持つ特異な姿勢で、その独特の姿からは強大な観音の力が感じられ、非常に特異な千手観音像とされています。
通常、この特異な千手観音像は秘仏とされ、本堂の最も奥の部分である内陣の厨子の中に安置されています。
しかし、33年ごとに行われる御開帳の際には、その姿を拝見することができます。
なお、この33年間という期間は、「33の姿で衆生を救う」という観音の教えから取られています。
清水の舞台から飛び降りる?
清水の舞台は、京都市の景色を一望でき、春の桜や秋の紅葉のシーズンには、美しい風景が広がります。
この舞台から飛び降りるという行為が実際に行われたのでしょうか?
江戸時代には実際に多くの人々が飛び降りたとされています。
しかし、驚くことに生存率は意外と高く、飛び降りた人の大半が生き延びたとも言われています。
飛び降り行為の背後には実は意外な動機が存在しました。
人々が飛び降りたその理由とは?
それは、清水の舞台から飛び降りて無事に生還できれば願いがかなうという言い伝えがあったからだとされています。
運が良ければ希望が叶い、不運だとしても極楽浄土へ逝けるという信仰があったのです。それは一種の願掛けだったのです。
今日では、このような伝統は完全に時代遅れと見なされており、絶対に避けるべき行動ですので、安全を最優先してくださいね。
【清水寺】音羽の滝・見どころとポイント
パワースポット 音羽の滝
「音羽の滝」は清水寺の創設とその名前の源泉であり、創立以来一度も乾くことなく常に清水が流れ続けています。
古くは「金色水」や「延命水」とも呼ばれ、他の多くの寺院の手水舎とは異なり、音羽の滝では柄杓(ひしゃく)を使って清水を掬い、そこからパワーとご利益を得ることができます。
清水が三筋に分かれて流れる特徴があり、それぞれが異なる願いを叶える力を持つとされています。
右側の流れからは延命や長寿の恵みを受けることができます。
真ん中の流れからは、恋愛成就や良縁を引き寄せる力があると信じられています。
そして左側の流れからは、学業の成功と知識の向上のご利益があるとされています。
でも一度の参拝で得られるご利益は1つだけ。
欲張らないで!音羽の滝で願いを叶えるルール
三種類のご利益があるとされる音羽の滝の清水ですが、実際に願いを叶えるために一定のルールが存在します。
最初のルールは、すべての清水を飲まないことです。
三種類の清水を全部飲んでしまうと、「欲深さ」が表れ、ご利益が得られないとされています。
そのため、一番達成したい願いに対応する一つの清水だけを選び、それを飲むことが大切です。
清水はひと思いに!
その清水を飲む際には、ひしゃくから一度にすべて飲む必要があります。
なぜなら、2口に分けて飲むとご利益は半分に、3口に分けて飲むと1/3になってしまうと伝えられているからです。
一心に願いを込めて一息で清水を飲み干しましょう。
「欲深さ」への戒めを体感
ひしゃく一杯に清水を取り込む行動は、「欲深さ」を警告するメッセージと解釈できますね。
自分が一度に飲み干せる量だけ汲み取ることが求められることから、自分合った適量を認識することが幸せの要素として暗示されているようです。
この行為は、自分が本当に必要としているものを一つだけ選択することの重要性を示しています。
【清水寺】紅葉・見どころとポイント
秋になれば、清水寺の境内には約1000本の山紅葉が美しい赤や黄色、オレンジ色に染まります。
これらの色鮮やかな紅葉がピークを迎えるシーズンには、ぜひこの場所を訪れて見ることをお勧めします。
【清水寺】見どころとポイントのまとめ
この記事では、見どころ満載の清水寺の魅力を深く掘り下げました。
その歴史、文化、美しい景観を事前に知ることで、訪れたときの体験がより豊かになることでしょう。
私の選んだポイントが、清水寺訪問をより深く、感動的なものになることを願っています。
この記事のまとめ
◆内容◆
- 清水寺の見どころ5選と魅力を紹介
- 仁王門や三重塔などの重要なポイント
- 音羽の滝や紅葉シーズンの楽しみ方
- 随求堂での胎内巡り体験
- 清水の舞台からの絶景と歴史